2023-04-02 買い戻し 写真 習作的散文詩 散文あれこれ 朝起きたときから灼熱感に身を焼かれる。 完全なる二日酔い。何も出来ずに呻くだけ。 日も暮れてからようやく動けるようになったから、近所の古本屋にだけ行った。 初めて手に取ってから、もう十数年は経つ。 正しくこの版で、栞にしていたレシートまで手放したときのまま売れ残っていた。 妖刀、村正よりもよく切れる。無駄に言葉を弄す必要はない。 その衝撃は終生忘れないだろう。 この一冊からすべてが始まったのだから。 手放すべきでなかったから買い戻した。