枝葉散花

詩やら写真やらを垂れ流します。

買い戻し

朝起きたときから灼熱感に身を焼かれる。

完全なる二日酔い。何も出来ずに呻くだけ。

 

日も暮れてからようやく動けるようになったから、近所の古本屋にだけ行った。

初めて手に取ってから、もう十数年は経つ。

正しくこの版で、栞にしていたレシートまで手放したときのまま売れ残っていた。

 

妖刀、村正よりもよく切れる。無駄に言葉を弄す必要はない。

その衝撃は終生忘れないだろう。

この一冊からすべてが始まったのだから。

手放すべきでなかったから買い戻した。